MAX 不動産グループ ー なぜ不動産にトークンを?
最初に不動産がデジタル化され販売された頃、規制の欠如を利用して、法の抜け道をかいくぐり、規制に準拠せずにセキュリティを売却する絶好の機会とした業者が多く見られました。ある人には大きな利益を、他の人には大きな損失をもたらしました。この時の教訓は、規制こそが本来の目的を果たせるということです。つまり、詐欺師が活躍できないようにすること、犯罪者が合法的に利益を得るのを防ぐこと、合法的かつ倫理的なやり方で金銭のやり取りが行われるようにすることです。
規制されていないトークンやコインに関する多くの被害にもかかわらず、基礎となる技術の恩恵は見捨てられることなく、今日、ブロックチェーンは皮肉なことに保守勢力さえ無視できない新たな勢力となっています。
分散型元帳技術(DLT)には大きな利点があり、暗号通貨の分野から進化して金融上の問題を解決しうる立場を確立しつつあり、DLTは健全な目的を担う代替アプリケーションへと進化しています。
セキュリティトークンへの道
セキュリティトークンの根本にある思想は、規制逃れではなく受け入れることです。デジタル資産は、分散化の利点を享受する傍ら、これまでに確立されてきた金融規制の対象でもあります。投資家にとって、セキュリティトークンは上場株式への投資と同じくらい安全であり、かつより速く、より安く、管理がより簡単です。発行する側にとって、集権化されたアセットよりも安く発行でき、取引が迅速で、透明性が高くなります。
セキュリティトークンとは
トークンは、大きく2つのカテゴリであるユーティリティトークンとセキュリティトークンに分類されます。この違いは、トークン保有者が受け取る恩恵による違いです。通常、ユーティリティトークンは、保持者に特定システムへのサービスまたはアクセスを提供します。セキュリティトークンは、保持者に会社の株式または経済的リターンを伴う金融商品を提供します。
有価証券を定義する上で最も使用される方法は、米国の証券取引委員会(SEC)によって指示されている「Howeyテスト」です。Howeyでは、投資契約は「お金の投資」、「共通の企業への投資」、「利益を期待する取引」と定義されています。
この定義によれば、コイン価値の上昇を期待してICOに投資した人は、実際には証券に投資しているのです。DAOが1億5千万ドルを資金調達し、ハッカーに5千万ドルを奪われ、そしてイーサリアムが50%までクラッシュした2016年、当局はもはやICOを無視できなくなり、最終的に、技術またはデジタル化の適用または自動化は、米国の証券法による金融活動の対象であると裁定しました。
それ以降、会社や組織は、セキュリティトークンとして定義され金融規制の遵守の適用を逃れるために、大いに努力を続けています。これは多くの純粋主義者にとって哲学的動機です。初期のビットコイン時代の自由と無政府状態、注目されることなく簡単に素早くお金を稼ぐことができた世界に固執できたらと願っているのです。しかし、規制は単に供給者に足かせをはめるだけでなく消費者を保護するように設計されていることが明確になり、多くの企業は、DLTの敏捷性を取り入れて、確立された経済的保障措置を受け入れるモデルに移行し始めています。
セキュリティトークンが時代の流れを変える理由
「開拓時代」的な、激しい価格変動と高リスク商品に手を出さない限り、セキュリティトークンは、デジタル資産を合法的に保有する実用的な方法です。暗号投資の技術的な利点を持つ、伝統的な金融商品と同様の正当性があります。
デジタル化の最も一般的な利点の1つは、もちろん取引速度です。これに加えて、ブロックチェーンへの刻印による透明性、自動化されたコンプライアンス、24時間365日の取引、少額な手数料などを提供する証券のトークン化が実際に世界の潮流を変えるのは当然な流れです。
不動産への応用
不動産取引には通常、高い取引手数料、代理店手数料、弁護士費用および税金が伴います。不動産の購入は少なくとも数週間かかり、不動産ユニットを購入するための参入資金は、数百万ではないにしても、数万から数十万になる場合が多く、多額の資金が仲介者のポケットに入っていきます。
不動産資産をトークン化することで、不動産業界で最大のハードルの1つを簡単に克服することができます。所有権を部分的に細分化し、投資金額を物件購入金額の小さな割合にまで引き下げることができます。これにより、投資家は、少額の投資で、少額の関連費用で、最小限の事務処理で、数百万の物件のオーナの一人になることができます。
市場に影響を与える2番目に大きな課題は、KYCとAMLの手続きを含む規制です。不動産資産をデジタル化し、自動化されたKYCプロセスにより、KYCを通過した人だけに所有権を委ねることができます。
不動産クラウドファンディングプラットフォームであるMax クラウドファンドを開発している不動産会社、Max不動産グループ(MPG)は、トークン化されたアセットに既存の規制を適用しています。
Max不動産グループ のブロックチェーンは、Ardorの組み込み機能であるアセット管理システムを採用しており、そのためMPGは、承認済みアカウントのみにMax クラウドファンド経由で発行されたセキュリティトークンの購入および取引を可能にしています。
これらの手順が遵守されている前提であれば、真にグローバルなクロスボーダー取引が促進され、どの国の誰もが、いかなる国のあらゆる不動産に投資することができます。しかも完全に合法的にです。
どうしてそんなに難しいの?
ヨーロッパのクラウドファンディング・プラットフォームのうちクロスボーダー取引を促進しているのは10%未満です。その理由は単純です。セキュリティに対するクロスボーダーの枠組みも不動産取引の枠組みも存在しないため、該当するライセンスを取得し、該当するすべての国で規制を遵守することが非常に困難だからです。
私たちは、ブロックチェーン上にグローバルな不動産クラウドファンディングプラットフォームを構築しているMax不動産グループに、最大の障害とは何かを尋ねました。この分野における最大の課題は、さまざまな管轄区域にわたるコンプライアンスの遵守と、その自動化であると述べています。
各政府機関はそれぞれが遵守すべき規則を持ち、時にはアセットに対して、時には買い手に対しても適用されるため、国境を越えて合法的に準拠するシステムを設計する場合には両方を考慮に入れる必要があります。Max不動産グループは、事業を展開する各国ごとにセキュリティを販売するためのライセンスを申請し、各国に固有の金融規制を調査し、プラットフォームにプログラミングする必要があります。
したがって、法的文書は(正確に翻訳することが困難な専門用語および用語を考慮に入れて)翻訳し、現地のデューディリジェンスを実施する必要があります。言い換えると、各事業国に、法的な実体と実際の専門家が必要であることを意味します。
もう1つの大きな障害は、非常に異なるビジネス精神を持っている2つの異なる金融世界と結婚しようとしていることです。「暗号投資家は短期間で初期投資の5倍または10倍の収益を期待していますが、殆どの従来の不動産投資家は暗号通貨を恐れ、拒んでいます」とMax不動産グループの取締役社長Mark Lloyd氏は語ってます。「当社は、2つの世界が、如何に結びつくのかについて投資家を教育し、この結婚が秘める可能性を示すためにアカデミーを設立しました。」
なぜそれほどの価値があるのですか?
セキュリティトークンの潜在的市場は数兆ドルにのぼり、世界の不動産市場は270兆米ドル以上の価値があります。計算は比較的単純です。経済的な可能性は別として、不動産にセキュリティトークンを適用することは、誰もが排除されないグローバルな不動産市場を実現可能な形で作り出すことができます。その人が投資可能年齢であり、身分を証明できさえすれば、言語と通貨を選択し、数分のうちに、そして高いセキュリティレベルで、世界中のどの不動産も購入することができるのです。ブロックチェーンにより、世界の土地登記のデジタル版になる可能性が高く、何百万もの人々が共同で地球上の不動産アセットを所有する可能性があります。
不動産トークンの可能性を高く評価する企業の1つに、Assetumがあります。これは、Real Estate Security Tokens経済の主要リソースとなることを目的とするプラットフォームです。彼らは、全ての不動産ブロックチェーンプロジェクトを精査してランク付けし、公平な情報を提供しています。このプラットフォームの目的は、急速に成長しているこの種のコインとトークンについて投資家に知らせることです。